これは、上京したての17の夏に書いていた曲。 当時は学校の寮の、4畳ほどの部屋で生活していた。 新しい環境になっても、つい自分の世界に浸ってしまって
上手くいかない人間関係。
いろんな人と出会い、その分失敗もした。
ふと、心に鏡を置いてみると、
馬鹿正直でいることだけが正解じゃなくて、
仕事にも、恋人にも、友達にも、家族にも、
相手を思いやる上での、ついていい嘘というのがあると知り、
出会う人に対しても、
きっとみんな少し嘘をついてくれているんだと感じて、
自分を奮い立たすことができると気付いた。
一歩外に出れば、それは他人に見られている自分だ。 と、自分を知っているつもりでも、鏡越しじゃないと本当の自分の姿なんて見られないし、 他人が自分を作ってくれることだってある。
“鏡よ、鏡。ホンモノはどれ? ニセモノは何?” 常に疑って、問い続けて、私が私になる。そう思って書いた。
アレンジをしてくださったのは、森田悠介氏。表参道のショーウィンドウを横目に ヒールをカツカツ歩くイメージでとお願いした。
R&Bに寄ってなく、ちゃんと内側にROCKがある まるでウォーキングをしているような4つ打ちのリズム。 サビの直前のキラキラキラという効果音や フルート、ホーンの繊細なメロディラインたち。 こんなに音数が多いのに、無駄なものが一切ない。 まさに魔法がかかった華やかなアレンジにしてくださった。
そんな、Mirrorの魔法にかけられて、今日がちょっぴり良い一日になりますように。
この曲、実は疫病退散の妖怪だと盛り上がった
『アマビエ様』をテーマに書いている。
“病が流行ったら私の写し絵を人々に見せよ”とだけ
言い残して消えた儚さ、
何百年も言い伝えられてきた尊さ、
そして、一度見たら忘れられないあの見た目。
もうなんか、全てひっくるめて、ちょーかわいくて
ちょっと今回は、だいぶハジけてみた。
これからの生活と向き合うほど
先の見えない不安はなくならないけれど、
辛い時に悲しむだけでは前に進めない。
だったら、実在不明なアマビエ様の存在を信じてみるくらい
前向きに乗り越えてゆきたい。
そう思い、自粛期間中、制作に入った。
楽器レコーディングでは、アマビエ様の絵を置いてみたり
最高のROCKサウンドを生み出してくれるメンバーに
来てもらった。Rec開始前には、
アレンジャー&サウンドディレクションをしてくださっていた
森田悠介氏の「疫病退散を願ってお願いします!」の一言。
なんだか、みんなの想いが詰まった気がして、
ありがたかった。
ここまでして何故、
曲中に「アマビエ」がひとつもないかと言うと、
人には必ず、元気や勇気を与えてくれる自分にとっての
“ちょーかわいい存在”があると思ったから。
きっとあなたも誰かにとってのちょーかわいい人。
触れ合えなくても、心と心は繋がっていて 支え合って生きている。
それを忘れずに、一緒に頑張ろう。